
株式会社矢野経済研究所が、10月から12月にかけて、菓子メーカー、卸業者を対象に調査を行い、このほどその結果を発表した。
調査結果
2011年度の国内和洋菓子・デザート類市場は、メーカー出荷金額ベースで、前年度比99.3%の2兆543億円だった。復興需要が下支えし、打撃を最小限に抑えたものの、様々な社会背景から消費者の支出抑制傾向が高まる中で軟調に推移し、2012年度は前年度比98.4%の2兆220億円に落ち込む見通しだ。
そんな中好調なのは、ヨーグルト市場。2011年度は前年度比104.3%の成長を遂げている。その理由は、消費者の健康志向の高まりと、それに応えた各社の工夫である。メディアでも乳酸菌の様々な健康作用が特集され、市場の拡大の要因になっている。
また、コンビニストア各社が展開するオリジナルスイーツも引き続き好調に推移している。大手コンビニチェーンが2009年に発表したプレミアムロールケーキが大ヒットし、それ以来、各社ではロールケーキやチーズケーキなどの洋生菓子の製品開発に努めている。
これに加え、近年、小売側はチルド和菓子のラインナップ拡充に積極的だ。保存用の加糖がいらないチルド和菓子は、常温品より糖分を抑えるのが可能で、健康志向が高く、カロリーを気にする女性層やシニア層にアピールしている。
このように、市場全体では少々縮小が見られる和洋菓子・デザート類市場だが、個々に見ると消費者の健康志向に対応した製品が売り上げを伸ばしていることが分かる。今後もこの傾向は続くに違いない。
株式会社矢野経済研究所